青い色にアメリカの国旗の絵が描かれたサンダルを履いている。
歩くことを意識しないとすぐにコケてしまいそうな安っぽくて履きにくいサンダル。
そんなもので散歩に出て行ったからであろう、私はまんまと道路の側溝にはまった。
まだ子供の柔らかい皮膚は、ごつごつしたコンクリートにえぐられ大変なことになってしまった。
あまりに傷が深かったからなのか、足を側溝から引き上げたとき一瞬だけ私は自分の足に空洞を見た。本当にそれは一瞬でそのあとですぐに「ぐわっ」と赤い血がその空洞からみるみる流れ始めて、怖くって痛くって私は大声で泣いた。
9歳年の離れた姉も隣にいたのだが、大きなケガを見て顔が引きつっていて、私は更に恐怖した。
その様子を見ていた近くの大人が、何か声をかけてくれて、血と汚れを水で流してから家からアロエのイラストが描かれた軟膏らしきものを持ってきて優しく塗ってガーゼを巻いてくれた。
家に帰ってからなぜか姉は怒られ、その青いアメリカの国旗のサンダルは捨てられた。
ずっとずっと昔の話だから、記憶もあいまいで、もう今は話すことができなくなった姉に確かめようもないから、あの足にできた空洞はどれだけ大きいものだったかわからないけれど、今も私の左足には少し窪んだ傷跡が残っている。
10代までは茶色っぽく見えていたけど今はすっかりなじんでいる。
あのサンダルも姉もあの日一緒にいたのだとこの傷を見るたび思いだす。